【油性塗料と水性塗料】どちらがいいの?違いはなに?
こんにちは!
最近、工事や点検のご依頼を頂くなかで
塗料の説明をさせて頂くと、みなさん塗料に詳しくなっている傾向が見られます!
ネットで調べたり、YouTubeなどで勉強したりといった方が多く
それだけ皆さん、自分の家に使われる塗料について興味関心があるということですね☺
ひと昔前は、どこの何という塗料が使われるのか
それはどういったものなのか、など
あまり詳しく説明する業者様も少なかったようですが
塗料も進化し種類が増え、様々な性能を持つものが作られ
『とにかく塗装をかけて塗膜を作っておく』だけではなく
『塗装をかけるうえで、今後建物をどのように守っていくのか』
という考え方に変わっているのではないかと思います。
塗料の種類も大切ですが、塗料について基本的な
『油性(溶剤)と水性』についてお話したいと思います。
塗料は大きく分けて2種類ある
まず前提として、そもそも塗料というものは
外壁塗装用の塗料の原料となる「顔料」「樹脂」「添加物」は、実は液体ではなく個体なのです。
個体では塗ることが出来ませんよね?
そこでまず、液体で溶かす(希釈する)→壁に塗って乾かす→溶かした液体を蒸発させることで壁に密着させる
というのが塗装の原理なのです。
このことを踏まえて、簡単に説明すると
塗料を溶かすのが水なら水性塗料、シンナーなどの溶剤で溶かすなら油性塗料ということになります。
ちなみに一般的に油性塗料は、溶剤で溶かしているので溶剤塗料と呼ばれ、
水性の反対であることから油性塗料という呼ばれ方もします。
水性塗料
VOC(揮発性有機化合物)削減の観点から、環境にやさしい塗料の開発が進み
シンナーを一切使用せず水を使って薄める水性塗料が登場しました。
シンナーを使わないという特徴から、水性塗料は時に「臭いがしない」や「安全」と紹介されることもありますが
実際は水性塗料でも100%無臭で無害というわけではありません。
塗料を安定させるためにVOCが若干入っているので、きちんと換気がされている場所での使用が必須ですし
人によっては、少し臭いを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
油性塗料(溶剤塗料)
水は飲んだり近くに置いてあったりしても特に健康被害などは無く無害ですが
油性塗料(溶剤塗料)に使用するシンナーなどの有機溶剤は「他の物質を溶かすための物質」ですので
身の回りの物質だけでなく、人体にとっても非常に危険な有害物質です。
厚生労働省も、シンナーを扱う仕事には「有機溶剤作業主任者」の選任などを義務づけるほど危険な作業なのです。
油性塗料は、希釈に使用する溶剤の違いで「溶剤(強溶剤)」と「弱溶剤」に分かれ
昔は強溶剤で塗料を溶かして塗装をするのが主流でしたが、環境への影響や健康被害を減らすため、
国が「VOC削減」という理念を掲げ、それに伴って塗料メーカーは溶剤塗料を進化させて、
弱いシンナーでも溶けるような塗料「弱溶剤塗料」を作ったのです。
弱溶剤塗料は、シンナーの中でも比較的が刺激が少ない「塗料用シンナー」で希釈する溶剤系塗料で
臭いだけでなく人体や環境への害も、強溶剤塗料に比べて非常に少なくなっています。
油性塗料と水性塗料のメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
油性塗料 |
・長持ちする傾向がある ・艶がでやすく仕上がりがきれい。 ・艶を維持しやすい ・低温でも乾燥させやすい |
・臭いがある ・価格が少し高め |
水性塗料 |
・臭いが少ない・ほとんど感じられない ・環境にやさしい・健康被害も少ない ・価格が少し安め ・引火性が低く、保管がしやすい |
・油性より少し寿命が短い ・塗装出来ない下地が多い ・艶が落ちやすい ・乾燥時間が気温や湿度に左右されやすい |
上記のように、それぞれにメリット・デメリットがあります。
それぞれの業者さんで「耐久性の観点から油性塗料の方が良い」や
「水性塗料も進化しているので、油性塗料に劣らない」など見解は様々ですが
どちらが良いのかは、それぞれのメリット・デメリットをしっかり理解したうえで
選択されるのがいいかもしれませんね!
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